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Thrill Jockey。
ポストロックやらシカゴ音響やらといった分野で「名盤! 名盤!」と叫ばれているのをよく目にする作品です。ジャケ絵のへなちょこ具合から物凄い不安感が掻き立てられてしまったのですが……こりゃすごいですね!
そもそも「ポストロックやらシカゴ音響やら」などと偉そうに列挙してみたものの、その手の音楽はさっぱりだったので変な固定観念なしで作品にのめりこむ事ができました。確かに編成にだけ注目してみればヴォーカルがいないロックな構成をしているようで、聴く者にそう思わせないのは適度に混入されたエレクトロニクスな要素ゆえなのでしょうか。不意に用いられる電子音やエフェクトが、明らかにロックなようでロックじゃない音を見せてくれております。なるほどこういうのがポストロックな音かとここらで最低限のラインで納得しておくこととして、肝心の本作ですが……。
何と申せばよいのか、優しい音の荒波に圧倒されたというような雰囲気でしょうかね。全編通してほとんど攻撃的な面を見せることなく淡々としたスタンスで作られているのですが、曲ごとに様々なアプローチがなされていながらもスタンスは一貫しているという、この微妙に乖離した感覚が楽しくもあり、そして凄みを思い知らせてくれます。こういうことをできるセンスや才能にはただただ脱帽して感服するしかありません。妙に切ない系の曲もあれば、幻想的な曲もあり、終盤に至ってはなぜかぽよぽよドラムンベース風味(ちょっと萌えます。そしてやっぱりこういうのが好きだなと再認識しました)という謎な展開が! 意味が分かりません! でも素敵です。何でもありという雑多さではなくあらゆる可能性を求めようとする姿勢が感じられる辺りがこの作品を名作たらしめているのでしょうか。
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